ゴスペル

また日本人にキリスト教の文化であるゴスペルが受け入れられた理由に、ゴスペルの歌詞もあると考えられる。ゴスペルの歌詞は聖書の内容をテーマにしたものが多く見られるが、その内容は生きる希望や夢などポジティブなものであり、どの人類でも共感できるものであるためだと思われる。
このようにゴスペルは黒人奴隷、アメリカ人に留まることなく、日本人にも音楽を通して魂の叫びを伝えたのだった。



私自身が初めてゴスペルを体験したとき、それは仲間と歌う楽しい音楽の1つであった。繊細且つ力強いメロディーに乗せてコールアンドレスポンスをすることは、他の音楽では得られない仲間との一体感を感じられ、感動したことを覚えている。
そのゴスペルも然り、どのような物事にも始まりや歴史など、ルーツが存在する。ゴスペルの場合、それは人種差別による悲痛な歴史であった。
それを知っている人はどれくらいいるのだろう。ゴスペルが世界の音楽のジャンルの1つとして確立されている今日だが、そのルーツまでを知っている人は、日本にはあまり多くはいないのではないかと思う。今の日本ではゴスペルは音楽のみが伝承され、そのルーツは過去に取り残されようとしているように感じるのだ。
しかしあのような悲惨な歴史が忘れ去られることは、決して起きてはいけない。悲惨な歴史が繰り返されないためにも、我々はゴスペルのルーツを忘れてはならないのだ。
そのため私は少しでも多くの人にゴスペルの歴史を知って欲しい。そしてゴスペルの音楽を聴いたり、歌ったりする度に、それを思い出してもらいたい。そうすることが、歴史の中の犠牲者への最大限の弔いでり、世界平和のための一歩であると思う。お2人を
今日、北朝鮮の核実験をめぐって、緊迫する世界情勢。米国、北朝鮮ともに引き続き強硬姿勢を見せており、一触即発の雰囲気だ。今こそ我々は、ゴスペルが培ってきた人種や宗教の壁を越え、共に平和を願う力を拝借する時なのかもしれない。